HIVは感染しないってホント？
今やHIVは、治療によって性行為で感染しない時代になりました。
効果的なHIV療法を受けて、血液中のHIVの量が検出限界値未満(Undetectable)のレベルに継続的に低く抑えられているHIV陽性者からは、性行為によって他の人にHIVが感染することはもはやありません（Untransmittable）。
U=U(Undetectable=Untransmittable)は、「検出限界値未満＝HIV感染しない」ということを表すメッセージです。Undetectable=Untransmittableを略してU=Uと表現しています。U=Uは、数多くの研究成果に基づき、科学的にきちんと裏付けられたメッセージであり、世界中の保健医療関連の専門家や専門機関にも支持されています。
U=Uの狙いとは
U=U のメッセージは、HIVをめぐる差別や偏見をなくすことを最大の狙いとしています。
効果的なHIV療法を継続していれば、もはや性行為でのリスクがゼロであることをはっきりと示すことによって、人々のHIV陽性者に対する恐れをなくしていこうとしています。差別や偏見について、「スティグマ」と呼んだりすることもありますが、U=U のメッセージは、スティグマをゼロにするという大きな狙いがあります。
また、HIVに感染したらもう終わりと勘違いをせず、検査を受け、もしもHIV感染がわかったら治療を受けることで、性生活も含め日常生活を送ることができるというメッセージにもなっています。つまり、陽性者が自分がHIV陽性であることを知ることをうながすことにより、HIVの世界的な流行を終えようとすることも、U=U のメッセージの狙いの一つになっています。
世界中が新常識を支持！
HIV分野では新常識ともいえるU=Uは、すでに世界中の支持を得ています。
米国に本部があるPrevention Access Campaignという、アクティビストと研究者のグループが、2016年に「コンセンサス声明」というものを出しています。このコンセンサス声明では、U=U のメッセージを明確に示し、コンセンサス声明とU=Uのメッセージに対する支持は世界中に広がりました。2024年1月27日現在、105か国、1099の 組織・機関が、コミュニティ・パートナーとしてU=U のメッセージを支持しています。日本でも、日本エイズ学会、ぷれいす東京、MASH大阪、JaNP+（日本HIV陽性者ネットワーク・ジャンププラス）、akta、ならびに私たちU=U Japan Projectがコミュニティ・パートナーとなっています。
